オンライン授業案「動画」
先日授業で使用した動画が
学生にとても反響がよかったのでシェアします。
学習者:上位クラス(進学クラス)
オンラインと対面のハイブリッド授業
使用動画:YouTube
NHK「注文を間違えるかもしれないレストラン」
[もぎたて!] HUMAN 注文をまちがえるかもしれないレストラン | NHK
この動画はほぼ字幕入りです。
それにそんなに言葉が出てこないので
上位クラスでは少し簡単すぎた動画でした。
ですが、選んだ理由は
①短い(3分以内が理想)
②大学の入試に役立ちそう
③題に惹きつけられた
④「認知症」「こりごり」などの単語が出ていた
とまあこんな感じです。
①ショートバージョン(今回はこのパターンで授業をしました)
授業時間…10分
【準備するもの】
・動画と見られる環境
・パワーポイント(作成時間30分程度)
【授業の流れ】
①導入はタイトルにしました。
タイトルを伏字にすることで想像力を働かせてもらいました。
オンラインの学生はチャット参加にして
チャット表示を教室の学生に見えるようにしておきました。
「とる」「とらない」「する」…などなど。
それに対してどんなレストランだよっ!という声もでました。
ふふふ…それを待っていましたよ
まだ答えは見せません。
②じゃあ、通常、レストランに入ったらどうする?
エフェクトを使って動画のように見せます。
③一杯といっぱい(たくさん)を間違えてしまったようです…
みなさんならどう思いますか?
「うれしい」「ありがとう」「全部飲みます」
いやいや…そうじゃない…
④いよいよ動画です。
最初のほうに答えが出るので
「えー」「なんでそんなお店に行くの?」という声が。
実際の看板を目にして信じられない…というざわつき。
ここまでくるともうしっかり動画を見てくれますね。
⑤いくつか動画に関しての質問をします。
質問はたくさんしたのですが、
どうしても聞きたかった質問2つを載せます。
・このレストランで働く人はどんな人ですか。
この答えは「認知症の人です」です。
認知症という言葉を聞き取れたか、理解しているか、
それを確認するためです。
認知症の人はふさぎがちになり、一人で外出するのも不安で
お友達と話すことも怖くてできなくなります。
そんな人たちのために社会とつながる1歩として
この取り組みがあります。
それを伝えるためにも重要な質問です。
・このおばあさんはまたレストランで働きたいですか。
この答えは「いいえ、働きたくないです」です。
2:20のあたりにこの答えが出るのですが
「いやもうこりごりです」
「こりごり」は学生にとって
あまり聞かない言葉だと思いますが
わたしたちはよく使いますよね。
これは動画を見ている最中に質問が出てしまったのですが
答えを教えるのではなく
「どういう意味だと思う?」
「”いやもう”があるからどんな意味になるかな?」
と考えさせました。
そのあとで例文を作らせました。
「勉強はこりごりだ」
「アルバイトはこりごりだ」
うまく作れていました。
以上でだいたい10~12分くらいでしょうか。
②ミディアムバージョン
ショートバージョンをもう少し長くする方法です。
授業時間…20分
【準備するもの】
・ショートバージョンのもの
・googleフォームやzoom投票機能など
【授業の流れ】
①~④まではショートバージョンと同じです。
⑤googleフォームやzoomの投票機能を使って
見た動画について4択で問題を作り、答えてもらいます。
⑥答え合わせ
どこに答えがあったのか、何と言っていたのかの確認
同時に動画をもう一度流すといいと思います。
答えになるところの時間をメモしておくと
さっと見せることができますよ。
実は実際の授業でもgoogleフォームを作成していたのですが
時間がなくてできなかったのです…残念。
そういうことは多々ありますよね…
②ロングバージョン
しっかりがっつりやってみて
さらに小論文やら発表やらにつなげる方法
授業時間…1~コマ
【準備するもの】
・ミディアムバージョンのもの
・話し合いができる環境
【授業の流れ】
①~⑤まではミディアムバージョンと同じです。
ここから、さまざまな授業に発展させると面白いと思います。
最終的にどう発表するのかは先生が舵を取るとして
(作文にするのか、発表にするのか…
個人で調べるのか、グループ学習にするのか…)
自主的に問題点が出るようにサポートできるのが理想です
(…がそんなことなかなか難しいです←)
なので、その疑問が湧く資料を
先生があらかじめ準備するのがいいかな、と思います。
ほぼこちらがコントロールしているような感じになりますが…
例えば
「自分の国の認知症患者について調べる」
ということをさせたければ
日本の認知症患者についての資料をまとめて
「あなたの国は?」と質問を投げかける
「福祉をデザインすることについて調べる」
ということをさせたければ
認知症だけでなく福祉の観点から見た
面白い取り組みをいくつか紹介する
などという方法がとれるのではないでしょうか。
私ならこの動画を見てどんなアプローチがあるか
つまり「視点の探し方」をやりたいなと思いました。
福祉という言葉から想像するものは
「介護」「ボランティア」「平等不平等」
などというキーワードではないでしょうか。
ですが、この動画では全く違う視点から
福祉についてアプローチできているのが見て取れます。
学生もそれに気が付いていました。
「とても面白い取り組みだ」
「遠くても行ってみたい」
「間違いをみんなで楽しめることがいい」
とデザインについて、経済について、許容について
話が盛り上がっていました。
今回は長くなってしまいましたね。
文字にすると長いのですが
やっていることは至極簡単なんですよ